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日本人セラピストのブランド力

日々お客様からのご予約の電話対応をしているなかで、

昔はよくあったのですが未だにたまにあるのが「セラピストさんは日本人ですか?」という質問です。

当然答え方としては、「はい、当店は全員日本人女性のセラピストです。」と答えるのですが推察するに、

出張マッサージのビギナーのお客様なので業界のことをあまりご存じないからする質問なのか

もしくは当店の店名が中国色をイメージするので、確認のためにされる質問かのどちらかだと思われます。

ところで現在、大阪の街を眺めれば、外国人労働者の姿を見かけるのはもはや日常となりました。

コンビニ、飲食店、清掃、介護、建設現場——その活躍の場は広がる一方で、日本の労働市場は着実に多国籍化が進んでいます。

実際、2025年時点で日本に在留する外国人労働者数は過去最高を記録し、特にアジア諸国からの若い労働力が増加傾向にあります。

このような中、外国人セラピストの流入を阻止している業種が「出張マッサージサロン」です。

というのも、多くの業種で外国人労働者の浸透が進む一方で、この業界では依然として「日本人女性セラピスト」のニーズが非常に根強く残っているからです。

その理由は一体どこにあるのでしょうか。

ひとつは、「安心感」と「共通の文化的背景」によるものだと考えられます。施術を受ける時間というのは、お客様にとって心身ともに無防備になる瞬間です。

そのなかで、言葉の通じる相手、自分の感覚やニュアンスを理解してくれる日本人セラピストに対する信頼感は計り知れません。会話のトーンや間、ちょっとした気配りにおいても、日本人同士だからこそ成立する心地よさがあります。

さらに、出張マッサージという業態の特性も影響しています。お客様のプライベート空間であるホテルや自宅に直接伺うサービスだからこそ、「誰が来るのか」は極めて重要な要素です。

そこには施術力以上に「人柄や品格、マナー」への期待が込められています。そしてその期待に応える「ブランド」として、まだまだ日本人女性セラピストが高く評価されているのが現実です。

しかし一方で、マッサージ技術そのものでいえば、東南アジアをはじめとした外国人セラピストのレベルも非常に高く、むしろ本場仕込みの手技を持つ方も少なくありません。

タイ古式、バリニーズ、など、施術の奥深さでは引けを取らないどころか、技術面では優っていることもあるのです。

このような現状を踏まえると、「日本人セラピストだから選ばれる」という理由だけでは、今後の競争には限界が見えてくるかもしれません。

いまはまだ、コミュニケーション力や文化的共感力という“見えない価値”が優位に働いているかもしれませんが、それらが「日本人であること」と必ずしも直結しなくなる時代が来る可能性もあるのです。

たとえば、日本語が堪能で、マナーやホスピタリティを身につけた外国人セラピストが登場した場合、果たしてその“日本人でない”というだけの理由で敬遠され続けるでしょうか?

技術と人柄のバランスが取れた人材であれば、いずれお客様の価値観は変化していくかもしれません。

実際、出張マッサージという業態がビジネスホテルや民泊を中心により一般化・大衆化していく中で、「誰が施術するか」よりも「どういうサービス体験が提供されるか」が重要視される傾向にシフトしていく可能性は高いです。

つまり、国籍や性別ではなく、「プロフェッショナルとしての品質」こそが評価軸になる日も、そう遠くはないかもしれません。

では、今後日本人セラピストが価値を維持し続けるにはどうすればいいのか。

それは“日本人であること”に甘えず、施術力・対応力・ホスピタリティを常に磨き続けること。そして何よりも、“日本人であること”をブランドとしてではなく、“選ばれる理由”の一部として位置づけなおすことです。

そして今後、お客様側も日本人ばかりではなく外国人客が相当数増えてくるような時代になった時にはどうなるでしょうか?

これからまたインバウンド観光客の増加や、移民してきた日本在住の外国人が増え「出張マッサージ」を普通にご利用になる時代になった時にはどうなるでしょうか?

もしも、お客様の人数の割合が日本人と外国人の半分づつになるような時代が来た時にはどうなるでしょうか?

そうなった時でも、日本人セラピストは選ばれ続けているでしょうか?

外国人セラピストは登場していないでしょうか?

出張マッサージ業界もまた、例外なくグローバル化の波に直面しています。

日本人セラピストがその価値を未来へつなぐには、技術と心配りを武器に「選ばれ続ける存在」であることが何より求められているのではないでしょうか。

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